
ついにこの旅も最終日を迎えた。
ようやくトルコの空気に心も体もなじんできたというのに、時間は過ぎていくんですね。
今日は単独でイスタンブールを回る。期待と不安。
ところが‥。
ホテルのロビーでアヤ
ソフィアまでタクシーを頼もうとしたが、どうやらトルコ語で何かを必死で伝えようとしているらしい。
どうやら、三日前に誰かが射殺されて、その抗議デモでこの近くのタクシム広場が警官隊によって封鎖されていて、タクシーは使えないから地下鉄を使うといいとの事。すんなり分かった。
実は自分でもびっくりなのだが、言葉はほとんど分からないのに相手が何を言っているのか、なんとなくだが受け取れるような能力が自分にあることに気づいた。日本にいたら決して身につかない力だ。正直不思議である‥。
それはさておき、この事態には参った。
タクシーで新市街から、アヤソフィアのある旧市街までひとっ走りでいけると踏んでいたので朝から右も左も分からないイスタンブールの街を歩かなくてはならないのだ。
とにかくホテルの外を出て街を歩く、タクシム広場から新市街へのメイン
ストリートへ行こうとすると‥。
なんとすごい警官隊の数!!何百という制服警官が自動小銃を持って警戒態勢を敷いている。
恐る恐る通過。朝の通勤
ラッシュもあいまって町中人だらけ。
どこに何があるのか分からないまま、とりあえず海峡に向けてメインストリートを歩く。と‥。
いつの間にか裏通りに入っていた。何とも迷子になってしまったらしい‥。ぶっちゃけかなり怖い。タチの悪そうなのがジロジロみている。うわぁ。
内心の不安はようやく何分か歩いて海峡が見えることで霧散した。
海峡を越えると旧市街に入る。そこをつなぐガラタ橋も通勤難民でいっぱいだ。ある意味貴重なときに歩いたとプラス思考でテクテク歩く。
しかし旧市街に着いてからも散々迷った‥。
つたないトルコ語と英語が入り混じった会話で色々な人に道を聞いた。果ては有料
トイレのおっちゃんにまで道を聞いた。
もう目的の地下宮殿をあきらめ、トラム(路面電車)に乗り込んでから偶然その入り口を発見!!
いざ入場!

不思議な空間。イスタンブールの水源を確保するためにはるか昔1300年前に整備された地下水道だ。
さらにおくに進むとメドゥーサの柱が立つ。

不気味である。別の場所に作られていたものをビザンツ時代に奪って運んで柱にしたとされる。何か謎めいたものの匂いがぷんぷんである。

ようやく目的の地下宮殿を後にし、さらにトラムで旧市街を走る。最初からトラムに乗ればよかったと足をさすりながら後悔。
そこへ目に飛び込んできたのが、シンプロンオリエント急行、イスタンブール駅。
先ほどの地下宮殿もそうだが、「007ロシアより愛を込めて」の舞台にも登場する。自分たちのやった芝居の舞台にもある列車なので親近感がある。

なんだか世界の車窓からみたい‥。
乗りたいけど時間がないので今回はパス。
前日美味しかったサバサンドをもう一度食べ、新市街に戻り、どうしても軍事博物館で演奏されるイェニチェリの行進曲を生で聴きたかった(たけしのグロンサンでお馴染みで日本でもよく聞ける曲)
が、しかし‥。
本日の厳戒態勢により、軍事博物館はお休み。
残念。
トボトボとタクシム広場を歩くとそこにマクドナルドが。

入ってみる。日本とはメニューが違うものの活気にあふれている。おなかはいっぱいなのでコーラを頼む。店員の少年が愛想良く笑顔をくれる。スマイルは\0で売っていないが素敵なスマイルだった。
ほとほと歩きつかれて集合場所のホテルに戻る。
ついにお別れのときが来た。
この慌しく楽しい時間とも、この美しい国にも「さよなら」だ。
なんだかとても寂しい。短い時間ではあったがとにかく楽しい時間であった‥。
空港への荷造りを終えて、一緒に
ツアーに回ってくれた
ガイドさん、仲間たちにもお礼をいう。また会えると信じるから寂しさを押し隠した。
空港についてから
飛行機が飛び立つまであっという間に別れの時が来た。少しウルルンした。
飛行機が離陸する。オレンジ色のイスタンブールの夜景が見送ってくれた。なんとやさしく、うつくしい夜景。
「また来るよ、ありがとう」そう心の中で呟いた。
帰りの飛行機の中では死人のように寝た。
大韓航空のおなじみの機内食、「ビビンバ」食べてひたすら寝た。
ソウルを経由して、ついに故国に帰る。
やっぱり空から眺めた
東京とイスタンブールの夜景はどこか違っていた。蛍光灯の光が多いから、夜景が白いのだ。
そんな違いを感じながらも、飛行機は成田空港へと降り立つ。
着いた。何もかもが夢のようであった。
みんなとそれぞれの再会を楽しみに別れ、ただバスターミナルで
タバコをふかした。

「ありがとうトルコ」