3日目の朝。
朝一番にお風呂を頂き、部屋に帰ってから窓を開ける。
一面の海。そういえば昨日は真っ暗で海も分からなかった。
美味しくてやさしい朝食を食べ終えて、チェックアウト。
海辺にはシラス漁船がでている。

んーのどかだ。平和な一日の始まり。
今日は帰路の途中、大井川鉄道のSLを見に行くことに。
旅の軍資金も底をつき始めたので、SLには乗らずに車で追いかけることにした。
SL出発の金谷駅に到着してSLを眺めてソフトクリームを食べる。
SLはすごいが、アイスはあまり美味しくない。
特に一人が買った「うなぎアイス」は最悪にまずかった。ひどい悪ふざけだと思った。
そしてすぐに車に乗り込んで、SLより先回り。
途中で通過する塩郷駅で待ち伏せ。

この無人駅のすぐ近くには久野脇橋(恋金橋)というつり橋がある。


高いところは苦手だが、今回のこのつり橋には恐怖感はなかった。
まあ、たっちゃんを覗いてだが。
このつり橋から下を通るSLが見えるのだ。
汽車が来るまで、下にあったお茶屋さんでお茶をご馳走になりながら、SLのこと、あのつり橋から通算二人落ちていて、その両方とも酔っ払いだったことなど、面白い話を聞きながら列車を待つ。
時刻が来て、つり橋に登る。
遠くの方に目を凝らしていると、小さな煙が見えた。

来た!!汽車に手を振ると、客車のみんながこっちに手を振っている。列車からは恐らくこのつり橋のアナウンスが流れていたのだろう。とても嬉しくなった。
すぐに車に飛び乗り、後を追う!
しかし車を飛ばせど、窓から目を凝らせど、SLは見えてこない。
そんなに車より早くないとタカをくくっていたが‥。
SLやい!!って呼んでも返事はないか‥。
もしかしたらもう追い越したかも。そうか、そうに違いない。
途中の通過駅に、猿谷を斥候として送り通過時間を調べる。
残念そうな顔で帰ってきた。もうすでに行ってしまったらしい。
恐るべしSL!この我らのホワイトベース(たっちゃんの愛車アルファード)をぶっちぎるとは!
残念だが汽車を追いかけるのは断念。
その先にある寸又峡を目指す。
そこには「夢の吊橋」なるものがあるという。
「また吊橋かよ!」とうんざりする重度の高所恐怖症のたっちゃんのテンションダウンはさておき、一路寸又峡へ。
夢の吊橋を渡りながら、願い事をすれば叶うという。
一見簡単そうだが、高所恐怖症の俺には難しい作業のようだ。
願いに集中しすぎて足元をおろそかにしかねない。
寸又峡に到着。

近くの茶屋で山菜ソバを食らい、いざ吊橋へ。
意外と歩く、観光客は結構若い人も多い。俺ら三人の前を女の人二人で歩いている。どんな願い事をするのだろうか。
湖が見えた!
しかし、当日は以前降った大雨のせいか、湖も灰色に。
写真はきれいなときの湖と夢の吊橋。

さあ、夢の吊橋と思いながら、先の二人の女の子が渡るのを待っていると、引き返してきた。どうやら怖くてリタイヤしたらしい。
「こんにちは」と挨拶を交わして、それだけでデレデレしているおっさん三人。
そんなことより吊橋だ。渡っていても不思議と怖さを感じない。
もしかしたら高所恐怖症は克服できたのかも。
願い事を心に念じながら周りを見渡す。
まるで中国の奥地のような絶景。どこからか胡弓の音色が聞こえてきそうである。気持ちいい!
俺を先頭に、さるや、たっちゃんとようやく渡りきると‥。
そこにはえーーっと声を上げるくらいの急な山道が!
これは大変と思いながら、俺は一気に上る。
日頃から運動不足のさるやは顔が真っ青に。
最近草野球を始めたたっちゃんは汗だくに。
三人はやっとの思い出、山を登りきる。
自然と俺以外はだんまりに。
途中の湧き水で顔を洗い、車を止めた寸又峡温泉に戻る。
そこでお餅とお茶で一服してから、店の主人に聞いた温泉「飛龍の湯」へ。
露天風呂に行くとびっくり!
普通は座って肩ぐらいの深さなのに、ここはさらに深い。
大人の俺でも泳げるのだ。ひとしきり大人気なくはしゃいで泳いでみる。
となりの女湯からは女の子の声が聞こえたりして、びっくり!
ここでも大人気なくはしゃぐ俺。久々の青春群像だった。
車に乗り、東京へ。
小さい頃から、何かの旅行の帰りは寂しい。
あんなに楽しみにしていたことがもう終わってしまうと思うと寂しい。
しかし日常があるから旅が楽しみなのだ。
そう自分に言い聞かせながら、同志と別れる。
いい旅をありがとう。